2024.01.24

「あっ、おいしい」その一言のために、心を込めて仕立てます。

お客様がお肉を召し上がるとき、どんなサイズのお肉を、どんな調理方法で、誰とお召し上がりになるのか。そのようなことを考えながら、日々お肉と向き合っている有限会社木村屋精肉店代表取締役社長の木村直泰さんに精肉店としての強いこだわりや思いを語っていただきました。

2023年12月21日(木)放送 「『22_Ehime』モノ・がたり」より抜粋、編集
聞き手 南海放送ラジオ「Tips」プレゼンター 正岡 省吾

今回お話を聞いた方
有限会社木村屋精肉店 代表取締役社長
木村 直泰さん
Naoyasu Kimura
2023年5月に創業54年を迎えた有限会社木村屋精肉店は、「お客様の調理目的に合う加工をすること」「そのとき仕入れた最高の商品を提供すること」「お客様の冷蔵庫で長持ちすること」の3つをモットーに、美味しいお肉を食卓に届け続けている。
2023年5月に創業54年を迎えた有限会社木村屋精肉店は、「お客様の調理目的に合う加工をすること」「そのとき仕入れた最高の商品を提供すること」「お客様の冷蔵庫で長持ちすること」の3つをモットーに、美味しいお肉を食卓に届け続けている。
正岡  まずは木村屋精肉店についてご案内をお願いします。

木村  当社は愛媛県松山市の中心部にある百貨店「いよてつ髙島屋」さんの西駐車場の向かいにお店を構えています。2023年の5月に創業54年目を迎えました。もともとは卸売りが中心の会社でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった3年くらい前から小売りを始めさせていただきました。

正岡  私、昨日、お肉を試食しました。そのお肉がピンクで食欲をそそる色なのですよ。綺麗にサシが入っていて芸術品ですね。そして、しゃぶしゃぶでいただきましたが、脂が甘くて、薬味を入れたポン酢やごまだれ、いずれも美味しかったです。ごちそうさまでした。

木村  今回ご試食していただいたのは、「愛姫牛(あいひめぎゅう)」というお肉になります。

正岡  地元愛媛のものですか?
木村  はい。このブランドは愛媛県大洲市の栗田牧場さんで生産されている黒毛和牛とホルスタイン種を交配した「交雑種(F1)牛」になります。脂がしつこくなくて、さっぱりして食べやすいのが特長ですね。
注:F1とは、交配により生まれる一代限りの種のみの呼号

正岡  おっしゃる通り私にも食べやすかったです。

木村  以前、あるご高齢のご婦人が200グラムの和牛ステーキをご購入いただいたのですが、その後に来店された時に「この前のは美味しかったけど、全部は食べられなかった」って言われました。そこで愛姫牛のステーキを同じ200グラムでご提供しましたら、その次来られた時に「今回のステーキは一人で一枚全部食べられたわ」って、嬉しそうにおっしゃったのですね。その時のご婦人の笑顔とお言葉を今でも覚えています。

正岡  木村社長さんは、お客様のご年齢やご事情などを考えて、最適のお肉を提供されているのですね。
木村  はい。そのご高齢のご婦人は200グラムのお肉を一人で食べられたことに感激されていたので、私自身もとても有難く、嬉しく思いました。

正岡  素晴らしいエピソードですね。さて、その木村屋精肉店さんが22_Ehimeに出品されている商品をご案内願います。
まずは「22_Ehimeオリジナル木村屋しゃぶしゃぶセット3~4人前」消費税送料込み9,900円。

木村  こちらの商品は、先ほどご紹介をさせていただきました愛姫牛と奥地ほうぼく豚といいまして、愛媛県西予市三瓶町の株式会社長岡ピーズファクトリーさんで育てられている豚さんになります。
豚さんは豚舎の中に囲われて育てるのが一般的ですが、こちらの豚さんはその名の通り放牧、つまり放し飼いにされています。

正岡  ということは運動量が半端なく多いですね。

木村  現地に行くと、豚さんが水溜りの中でゴロゴロ転げ回っているのですね。もう本当に自由に動き回っています。これは豚舎で飼っている豚さんにはできないことですね。与えている飼料も関係しますが、そういった伸び伸びとした環境で育てたおかげで、豚さんたちもストレスフリーで、お肉に臭みがなくて、脂も美味しくなっていると思います。
正岡  素晴らしい。

木村  それから、放牧されている場所は、いわゆる耕作放棄地、使われていない農地です。豚さんのご先祖様はイノシシなので、何か食べられるものが出てくるのじゃないかって感じで、本能的に鼻で地面を掘るのですが、これで地面が耕されて土地が栄養を取り戻すのですね。だから、ふたたび作物を作ろうと思った時に、既に肥えた土地を維持できた状態になっているのですよ。

正岡  土も耕す奥地ほうぼく豚と愛姫牛の贅沢なセットですね。
正岡  そして、もう1つは「22_Ehimeオリジナル木村屋焼肉セット3~4人前」消費税送料込み5,500円。

木村  こちらはご家庭のホットプレートで焼いていただいても、お庭に出て網で焼いていただいても、どちらでもいけるような組み合わせにしました。
カルビはアメリカ産ですが、ほどよい脂が特長です。ホットプレートでは、サシの多いお肉を焼くと脂が多く出てベタベタして、しつこい感じになりますが、このカルビは適度な脂で、ホットプレートで焼いても脂が出すぎない、くどくないカルビを使わせていただいています。

正岡  木村家さんこだわりのカルビですね。

木村  ご家庭で焼き肉を食べていただく際に一番多く使われるホットプレートに合う牛肉ってなんだろうということで、試行錯誤を繰り返して行き着いたのがこちらのアメリカ産のカルビです。

正岡  焼肉セットですから、牛以外も入っているのですよね。
木村  豚バラと鶏モモを入れさせていただいています。焼肉は牛さんだけでも美味しいですが、豚さんと鶏さんを食べると口が変わりますし、複数のお肉をご家庭で満喫していただきたいと思い、この3種類をピックアップさせていただきました。

正岡  木村社長のお肉への思いが、ひしひしと伝わってきますね。精肉店としてのモットーや社長のこだわりなどについて教えてください。

木村  少し唐突ですが、現在当社は店頭にお肉を並べていません。

正岡  あらっ、どうしてですか?

木村  通常はお肉を店頭に並べて、来られたお客さんに見ていただいて、いかがですかというのがごく当たり前のスタイルだと思うのですね。
でも当社はもともと小売をしていなかったので、独自のスタイルでやっています。つまり、お客様が来られたら、まずは、「お肉は何に使われるのですか、用途はステーキですか、すき焼きですか、シャブシャブですか」ということをお聞きして、そこからお肉を切ります。

正岡  はぁ〜、そういうことですね。
木村  そして、お客様がお肉を使われる状況、同じ焼肉でもホットプレートでされるのか、みんなで集まってバーベキューをされるのか、またはその両方かによって切り方や厚み、ポーション(部位)の広さなどを変えています。

正岡  すごいこだわりですね。

木村  お客様がお肉を料理に使われる状況は、お一人お一人、その時その時で違うのですね。ですから、お肉の良さを最大限に活かすために、完全にその方専用でお作りするべきだと思っています。当社はもともと専門店様向けの卸し会社なので、そのやり方が普通なのです。

正岡  お客様側にお店の方が寄り添っているということですね。さすがです。最後にこれからの目標などを教えてください。

木村  生産者の皆さんは、日々いいものを作ろうとして、様々な思いで牛さんや豚さんを育てていらっしゃいます。それを消費者の皆さんに知っていただき、理解していただけるように、当社がその橋渡しをしていくことが、一番大事なことだと思って、お仕事をさせていただいていますし、これからも続けていきたいと思っています。

正岡  それは素晴らしいことですね。今日のゲストは有限会社木村屋精肉店 代表取締役社長の木村直泰さんでした。これからも美味しいお肉をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。